Fin Techゲストスピーカー

「フィンテックと金融機関の経営」

みずほ証券

取締役副社長

幸田 博人 氏 氏

2017年06月22日

経歴

1982年一橋大学経済学部卒。みずほFGグループ戦略第二部参事役、みずほ証券経営調査部長、総合企画部長等を経て、2009年より執行役員。常務執行役員企画グループ長、国内営業部門長等を経て、2016年より代表取締役副社長。
1992 年以降、金融制度改革、金融ビッグバン等資本市場改革に係る制度調査・市場分析、イノベーション支援等に従事。

2017年 6月22日、第10回「FinTechと金融市場」ではゲストスピーカーとして みずほ証券株式会社 幸田博人 副社長をお招きし、『フィンテックと金融機関の経営』をテーマにお話しいただきました。

構成は「フィンテックについて」「フィンテックと金融機関の経営」「フィンテックの事例~ロボアド~」の3部構成で、わが国の個人金融資産といったマクロ的な説明に始まり、証券会社のビジネスモデルや最近話題のフィンテックやフィデューシャリー・デューティー、また、みずほグループをはじめとする金融機関の取組み事例を多数紹介して頂き、大変盛り沢山な講義となりました。
「フィンテックについて」では、フィンテックが注目される背景やみずほフィナンシャルグループでの取り組み状況について説明がありました。フィンテックは、テクノロジーの革命やIoTの発展に伴う、ブロックチェーン・人工知能・ビッグデータといった要素技術を活用することで、新規ビジネスの創出や業務の効率化によるコスト削減が期待されています。みずほグループでの取り組み事例として、AIを活用した国内初の本格FinTechレンディングやIBMワトソンをつかったコールセンターのオペレーション業務高度化が紹介されました。
「フィンテックと金融機関の経営」では、わが国の個人金融資産動向や最近のチャネル・顧客セグメント戦略に基づく証券会社のビジネスモデル(資産管理型営業へのシフト)について説明がありました。証券会社のビジネスモデルは、わが国でも米国でのゴールベースアプローチのような営業スタイルが富裕層を中心に始まっており、また、フィンテックによるサービスの拡充も進展してきています。顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)については、みずほフィナンシャルグループとみずほ証券の取組方針について紹介がありました。
「フィンテックの事例~ロボアド~」では、ロボアドの仕組みを概観した後、米国でのロボアドの利用状況と日本での導入事例について説明がありました。米国では、低コストのアドバイスモデルとしてマス層を中心に成長を遂げ、今後も拡大が見込まれているものの、ヒトによるアドバイスのニーズも依然強いことから、ヒトとロボアドの併用スタイルの浸透が予測されている、との説明がありました。また、日本の事例では、大手銀行とフィンテックベンチャーが提供しているサービスについて紹介がありました。

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