Fin Techゲストスピーカー

フィンテックに関する法務

フロンティア・マネジメント株式会社

代表取締役(弁護士)

大西 正一郎 氏 氏

2018年07月12日

経歴

早稲田大学法学部卒業。弁護士(東京弁護士会・44期)。弁護士登録後、奥野総合法律事務所(現、奧野総合法律事務所・外国法共同事業)に勤務し、1997年にパートナー弁護士に就任。日本リースやライフ、大成火災海上保険の会社更生に管財人代理等で関与。
2003年に産業再生機構に入社し、マネージングディレクターに就任。三井鉱山の案件に監査役、カネボウおよびダイエーの案件に取締役として、事業再生に関与。2007年にフロンティア・マネジメント㈱設立。アルピコホールディングス取締役(2008年)、JAL再生タスクフォースのメンバー(2009年)、ウィルコム事業管財人(2010年)、内閣官房 東京電力経営・財務調査タスクフォース事務局の事務局次長(2011年)等を務める。

2018年7月12日の寄附講義「FinTechと金融市場」のゲストスピーカーとしてフロンティア・マネジメント株式会社 代表取締役(弁護士)の大西正一郎氏にご登壇いただきました。

多様かつ未整備のフィンテック規制

大西氏は「金融は規制と隣り合わせで法とも密接な関係を持つ。新興のフィンテックのどのような部分が法に関わるリスクを持つのか、感覚としてわかっておいてほしい」と述べ、金融業務を「決済」「送金」「交換」「融資・投資運用」「保険」「銀行・その他共通」に分類した上で、現行法とフィンテックの関係について丁寧に解説して下さいました。金融機関にとってフィンテックは今後確実に取り組まねばならない分野であり、関連法案について日々検討が重ねられています。

oonishi2.jpgのサムネイル画像フィンテックと地方銀行

急速に進む少子高齢化とマイナス金利などによる利ざやの縮小は、地方銀行の収益を圧迫しています。このような状況に直面する地方銀行にとって、フィンテックの活用は「銀行業務の効率性及び生産性の向上」「銀行利用者の利便性の向上」の両方を可能にします。加えて、人手不足の解消や医療サービスインフラなど、様々なインフラビジネスの可能性を秘めているとも言えます。「フィンテックを活用した地方銀行のビジネスはまだ始まったばかりであるが、今後大いに注目していくべき」と大西氏は指摘します。

大西氏は「フィンテックには様々な規制があり、まだ十分に整備されておらず、かつ日々変化している。金融庁がこの技術を普及させようと前向きに法改正していく中で、ビジネスを作る我々は、その意図をくみ取り、具現化していく必要がある」と述べ、講演の結びとされました。