Fin Techゲストスピーカー

フィンテックが証券エコシステムに与える影響

株式会社日本取引所グループ

総合企画部 フィンテック推進室長  兼 IT企画部 企画統括役

山藤 敦史 氏 氏

2018年07月19日

経歴

1995年 東京証券取引所に入社。新システム導入、営業部門設立、新規事業専門部隊設立、フィンテックラボ設立、社内イノベーションプログラム等の多くの‘初物’プロジェクトに携わる。神戸大学経済学部卒業。本プログラムを2003年3月修了(一橋大学国際企業戦略研究科(ICS) MBA in Finance)

2018年7月19日の寄附講義「FinTechと金融市場」のゲストスピーカーは株式会社日本取引所グループの山藤敦史氏にご登壇いただきました。

資金調達の仕組みはさらに効率化できる

名誉や応援を目的として金銭的支援を行うパトロン制度を起源とする株式会社制度の発展により、かつては富裕層のみに限られていた事業への資金出資の道が大衆にも開かれました。山藤氏は技術の進化した現代においては、さらに効率的な資金調達の仕組みをデザインすることが可能であると主張します。

santoi3.jpgフィンテックと資金調達

クラウドファンディングは近年急成長を遂げている資金調達手法の一つです。クラウドファンディングを採択することで、資金調達以外にもテストマーケティングや新規顧客開拓などの付加価値が得られるケースがあります。現代の消費傾向や若年世代の社会貢献意識が高いことを踏まえ、「金銭的リターン以上に案件のストーリーへの共感・納得感が重視されるようになっており、デジタル化により効率性をあげたパトロン型金融が今後ますます重要になる」と山藤氏は指摘します。

金融の民主化とテクノロジー

今後は金融サービスの特殊性が薄れ、一般の生活サービスに融合しながら、全ての企業・個人に新たな「金融」の形をデザインする権利が拓かれていきます。金融の構成要素のアンバンドリング、リバンドリングが進む中で、法規制の在り方も見直しを迫られています。山藤氏は「フィンテックが挑戦しているのは、金融の常識の意味を一つ一つ問い直しながら、最良の金融システムをデザインすることである」と述べ、ご講演を結ばれました。

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