ゲストスピーカーのご紹介

対談「飽くなき挑戦」

スカイマーク株式会社

元代表取締役社長

西久保 愼一 氏

2017年10月17日

2017年10月17日に佐山展生教授の「企業価値向上論Ⅰ」のゲストスピーカーとして、スカイマーク元代表取締役社長 西久保 愼一氏にお越し頂き、ご講演をいただきました。

西久保氏は大学卒業後、技術職として社会人生活をスタートされました。間もなくして営業職へ異動となり、交渉術の習得に楽しみを見い出しながらも、「技術で生きていきたい」という従前からの思いを実現するため、会社を退職されています。技術を学ぶため大学院へ通う一方、技術職での転職が困難という現実に直面し、自ら起業する事を決意、システム工学社を設立されました。西久保②.jpg

1990年には、新会社を設立され、マスターネット社買収を経て、1997年には店頭市場に上場を果たされました。一見、順風満帆な事業運営と思われますが、マスターネット社買収直前には資金繰り悪化による倒産危機に直面し、間一髪で危機を脱したそうです。常に時代を先行する形でサービスを提供することで、会社を成長されていきました。
 スカイ―マークには2003年の出資をきっかけにその後、社長に就任されます。これまでとは異なる航空業界での挑戦にあたり、社員からの信頼を獲得するため、自家用操縦士技能証明を取得し、自家用ジェットで空港間を移動されたそうです。当初の戦略は、航路を幹線に絞ることとし、利用者数が多い幹線で競争力のある価格で運行することでシェア拡大に成功されました。次の一手としては、小型機の製造と国際線への参入を考え、最終的に大型機による国際線参入に踏み切られました。大型機の調達としてJAL使用機の購入を試みたものの購入できず、エアバス社のA380を選択。その後の為替変動が業績を圧迫する要因となりました。JAL機が購入できなかった時点でリセットすべきであったが、社内の機運もありリセットできなかったと回顧されました。

 現在は、ホームページ制作企業を新たに立ち上げ、事業拡大に奮闘されているそうです。

最後に、学生からの日本での起業活発化に関する質問について、日本人が教育を受ける中で思考が狭まっている現状を指摘し、より幅広い視野で考える力を有する人材を育成することの重要性を語られました。また、起業を成功させる秘訣については、「成功するのは運、失敗するのは実力。実力を身につけて失敗しなければ必ず成功はついてくるが、その大きさは運」と語られ、その後も企業や経営について佐山教授、学生らとともに質疑応答が行われました。

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