2009年01月27日

ニュース

スペシャル・ゲスト:富士ゼロックス株式会社 小林陽太郎相談役最高顧問

2009年1月27日、佐山展生教授の企業価値向上論講義において、富士ゼロックス株式会社相談役最高顧問である小林陽太郎氏が講演を行った。

 テーマは、「企業は何のため、誰のために存在するのか」。
 このところ、アメリカに端を発した金融・経済危機が世界を激震しており、利益 主義に走る企業への批判が集中している。この混乱を招いたのは、アメリカのマネー主義への極端な信奉であると短絡的に断言することはできないが、彼らには 多分に行き過ぎの感があったことは否定できないだろうと、小林氏はいう。

 ピータードラッガーは、「社会の要請に答え、同時に利益にすることが企業の機能である」と唱え、日本の近江商人は、商売の基本は、売り手よし、買 い手よし、世間よしの「三方よし」にあると考えていた。古今東西を問わず、先人は、時代を超える普遍的な価値について教えを残してきている。
 小 林氏は、昨今の混迷の時代を乗り切るためには、これらの先人の教えを深く学び、新しい時代に即する価値を見極め、それぞれの企業が実現するべき理念を構築 するべきであると説いた。そして、その理念を、経営者と社員が一丸となって実行し、その企業が市場において評価されるような社会であるべきだと述べた。

 講演を聴講した生徒にとっては、よりよき社会を構築するための礎としての確固たる企業理念を抱くことが企業価値を高めることにつながることを認識できた貴重な一日となった。スケールの大きな、そして含蓄の深い同氏の主張は、生徒の心に深く響いていた。

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