修了生の活躍

財務を通じて、世の中に良い会社をもっと増やしたい

株式会社ZOZO

経営管理本部長

廣瀬文慎さん

2018年3月修了

これまでのキャリアは?

証券会社で公開引受していた企業へ転職

大学卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行し、約4年にわたり法人営業に従事しました。その後転職して、日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)の公開業務部の配属となり、約2年間、未上場企業のIPO支援コンサルティング業務に従事しました。その際に担当していた、上場前のスタートトゥデイ(現 株式会社ZOZO)にその後入社しました。元々スタートアップで腕を振るいたいという思いを持っていたので、この転職は絶好の機会でした。スタートトゥデイでは内部監査室長として同社のIPOの推進、内部統制(J-sox)対応をしたのち、経営管理本部長に就任。経営管理本部長時は、同社の東証1部への指定替えのプロジェクトの責任者としてプジェクト推進を図りつつ、IR、法務部、財務経理部を管掌しました。
プロジェクトを終わらせたのち、ZOZOTOWNに出店しているブランド様の営業を担当するEC事業本部という部署の本部長に就任しました。それまでは金融畑を渡り歩いてきたわけですが、既存に出店しているブランド様にお伺いするので、服装も髪形もカジュアルでおしゃれであるよう気を使っていました。同本部ではZOZOTOWNでの売上を最大化させるべく5年間 EC事業本部で業務を行ってきましたが、現在は元の経営管理本部長として戻ってきています。

FSで学ぼうと考えた理由は?

改めて「座学」の楽しさや有用性を感じるきっかけがあった

本プログラムを受験したのは、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の楠木教授が2014年に始められた外部のフォーラムに、スタートトゥデイ社の代表として参加させて頂いたことがきっかけです。このフォーラムでは、バックグラウンドが違うメンバーと交流しながら、座学で理論を学んだり、一流の経営者からお話を聞くという1年間のプログラムでした。元々、本を読むのは好きで知識欲は旺盛でしたが、しばらく座学をしていなかった私にとってこの経験は大きな刺激となり、もう一度学校に通って学びたいという考えになりました。そして翌年1月に金融戦略・経営財務プログラムに出願しました。本プログラムは会社を辞めずに平日夜間に通う事ができる上、金融や経営に特化しているということで、出願当時はブランドの営業という立場ではありましたが、もともと財務は私のフィールドであるという自負がありましたので、本プログラムを希望しました。


一橋大学大学院での学びは実務に生かせる?

実務とファイナンス理論を、どのように融合させていけばよいか、常に念頭において学ぶ

hirose2.jpg大学院を選ぶ際に重視したのは、前述の楠木教授や、実務家として著名な佐山展生教授(敬称など共に2014年当時)のような方々が教鞭をとっていらっしゃり、直接教えを請う事ができるという事でした。授業中は、具体的には、今まで実務サイドで行ってきたことと、理論とをどのように融合させていけばよいかを念頭において学ぶよう心掛けました。
また、機関投資家とのコミュニケーションはしばらくしていなかったので、共通する言語の理解を深めることを学ぼうと思いました。
私の所属したゼミは野間ゼミでしたが、メンバーはメーカー、コンサル、会計士、国税、ポートフォリオマネージャーとバラエティに富んでいたので、各人のフィールドからの意見や考え方を知ることができ、ビジネス面での知見や、機関投資家はどのように上場企業をみているのか等を知ることができ、非常にためになりました。このようなバラエティに富むメンバーで、野間先生もさぞ、私を中心にまとめづらいメンバーだったと思います。

2年間の通学で大変だったことは?

オフィスが遠いので会社の理解が不可欠だった

会社が海浜幕張にあるので、授業に出るのは大変でした。17時過ぎにはオフィスを出ないと18:20からの1限には間に合いません。当時はブランド様の営業でしたので、授業前にブランドを訪問後、授業に出席したり、また当時は都内にある子会社の取締役も兼務しておりましたので、都内に出る機会も多く作ることで授業に間に合うことができました。このように会社の上司やメンバーがサポートしてくれたおかげで2年間、学校へ通い続けることができました。会社としては、全社的に外でインプットを増やそうという考えがありますので、私が大学院に通うのには賛同してくれていました。
家族は大学院に通う意義を理解してくれて、最初は快く賛成してくれました。しかし、実際通い始めると、1年経ったころから徐々に妻の機嫌が悪くなり、何度か大ゲンカをしましたが、"週末の日中は家族のための時間として確保し、家族が就寝した後に勉強をする"ことをルールとすることで、家族の理解を得ました。


大学院で学んだことは、どのような形で役に立っていると感じますか?

財務を通じて、世の中に良い会社をもっと増やしたい

実務上は、機関投資家、セルサイドアナリストとの対話において、共通の言語で話す土壌ができた点が役立っています。弊社は2007年12月に上場し、11年の時を経て、時価総額が約20倍の6,000億円前後となるまで成長しました(2019年3月末時点)。海外投資家の保有割合は約40%。上場直後から積極的に海外IRを実施しており、責任者として海外投資家とのコミュニケーションも積極的に取っています。昨年は国内外の投資家と約600件のミーティングを実施しました。
将来の目標は入学前から変わりありません。財務を通じて、世の中に良い会社をもっと増やしたいというのが私自身の目標です。私の中での良い会社の定義は、雇用を生み出し、社会において必要性のある事業を行っている会社です。そのためには、事業が最も重要ですが、それをサポートする財務が必須になります。その財務分野でリードする存在になりたいと考えています。今回、大学院に通ったことで財務という観点からの視野が広くなり、この目標を実行する知識や自信が深まりました。

これからMBAを目指す方にアドバイスをお願いします。

本プログラムは、金融機関の方々の参加が多いのですが、是非ベンチャー企業のCFOに限らず役員の人にも来て欲しいと思います。財務の知識は、それを担当する人だけが必要ではなく、経営を担う役員の方々には必須な知識だからです。一方で、大学院としては多様性のある人たちが集まることで、色々な化学反応が起きますので、そのような方々にもっとチャレンジして頂きたいと思います。

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2019年2月19日に、「機関投資家との対話と企業価値」という内容でご講演いただきました。   
<ファイナンスクラブの様子>
https://www.fs.hub.hit-u.ac.jp/news-event/2019/03/11-fs-1.php

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