リレーエッセイ

ゼミ探訪「鈴木ゼミ紹介」

鈴木 健嗣 准教授

少人数ゼミは本プログラムの特色であり、学生は、2年間必ずどこかのゼミに所属します。ゼミの規模は、通常では5-6人です。ゼミは毎週月曜日に行わ れ、学生の問題意識を深めるために文献を輪読したり自身の学位論文研究について報告した上で、ゼミ教員や他のメンバーと活発な議論を重ねながら、 最終的に学位論文を仕上げていきます。

2019年04月10日

鈴木ゼミは、主にコーポレート・ファイナンスを専攻する学生が集まるゼミです。ゼミ生の共通の関心は「企業価値を高める要因は何か?」という疑問でしょう。この疑問は、コーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、経営学研究の永遠の課題です。学問の分野を横断しながら、あらゆる面からこの課題に取り組むのが本ゼミの特徴と言えます。ゼミ生は、事業会社の財務・経営企画、商社、金融機関(特に銀行・証券)といった方がほとんどです。
suzukizemi1.jpgゼミ生は2年かけて、自らの問題意識を持ち寄り、修士論文を完成させていきます。修士論文を執筆するにあたり、鈴木ゼミで最も力を入れているのはオリジナリティです。具体的には、これまでには考えられてこなかった「新しい仮説の実証分析」についてこだわります。新しい仮説(要因)を見つけるためには、これまでとは異なる考えや経験を加えなければなりません。そのためには、①これまでの考え方を理解する作業(これまで何が「わかっている」のか把握すること)と、②これまでの考え方には無い知識・経験を加える作業が必要になります。
M1の春夏学期には、①の作業を行うため関連する研究や分析を網羅的に調べます。秋冬学期に②の作業を行います。関連する様々な分野(コーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、経営学、会計学、経済学、心理学など)の研究を学び、新しい仮説を生み出していきます。そして仮説を設定する際には、「その仮説を検証するためのデータはどこにあるのか」についても確認してもらいます(この点まで考えられた研究計画書に対して、とても好感を持ちます)。仮説を検証できるデータが無ければ、実証分析で論文を書くことはできません。M2の春夏学期ではM1の時に設定した仮説を検証するため、データを収集し分析します。修士論文で求められる検証方法はM1時に「金融データ分析の基礎」や「金融データ分析」の授業で学んだ内容の範囲で十分です。そしてM2の秋冬学期で修士論文を執筆してもらうというスケジュールになります。
鈴木ゼミでは博士課程へ進学する方を積極的に応援しています。博士課程卒業後の進路は大学教授などのアカデミックポストに就く方が多いです(もちろん仕事を続けていただいても結構です)。博士課程では3年間でできる限りレベルの高い査読付き雑誌への投稿を目指します。英文の査読付き論文は、修士論文の水準を大きく上回るレベルが要求されます。博士課程の鈴木ゼミは、毎週一人ひとり個別に時間を取り発表やディスカッションを繰り返して論文作成していくスタイルです。1回のゼミで3時間以上費やすことは稀ではありません。
4月から皆さんとディスカッションできることを楽しみにしております。

【専門】コーポレート・ファイナンス、経営戦略

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ゼミ室で
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OBOGを交えての飲み会で

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