Fin Techゲストスピーカー

FinTechと金融メディア~FinTechは金融業界を破壊するのは本当か?~

株式会社ZUU

代表取締役社長

冨田 和成 氏 氏

2016年12月07日

経歴

投資家向け、個人向けFintechサービスを提供。
Fintechの最前線について日経マネーにて連載記事を執筆。
また、「FinTech Day」等の数々のカンファレンスに登壇しFintechの普及活動に務める。金融イノベーションビジネスカンファレンス2015にてソニー銀行イノベーション賞受賞。
著書に「大富豪が実践しているお金の哲学」(クロスメディアパブリッシング)。

 2016年12月7日ののゲストスピーカーは、株式会社ZUUの代表取締役兼CEOの冨田和成氏が登壇し、「FinTechと金融メディア ~FinTechは金融業界を破壊するのは本当か?~」というテーマでご講演いただきました。

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1 FinTechをどうとらえるのか

 資本主義社会や資本調達の加速によって、国家から企業、企業から個人へと世界を動かす主体のパラダイムシフトが起きています。いまは個人がヒトやモノやカネにアクセスして、各々の夢などの実現のために自らを経営していくことが可能になり、個人によるカネの調達や運用など活用法は注目されています。
冨田氏は、「FinTechは金融業界を破壊するのではなく、金融業界をアンバンドリングし、アンバンドリングされた金融サービスとして各産業界に関わってくるものである。FinTechによって、金融のコモディティ化が起きている」と主張します。

2 FinTechに対して企業としてどのように取り組んでいるのか

 既存の金融業界は、本社がオペレーション業務を、支店が顧客とのディストリビューション業務を行っているような二階層構造になっています。今後は、FinTech企業が金融業のディストリビューション業務を担い、既存の金融機関がオペレーション業務を行うと冨田氏は考えます。
冨田氏は、「Fintechによって金融市場が壊れるのではなく、市場がさらに大きくなる」と予想します。
金融市場が大きくなっていく状況で、株式会社ZUUはBtoBとBtoCの両方へサービス提供し、特にBtoCでは、顧客の金融に対するリテラシーが定着するようなサービスを提供しています。株式会社ZUUは、顧客がリテラシーを持つことで、顧客と金融商品の間にある情報の非対称性がなくなり、お金に対して前向きに考えられる世界の実現を目指しています。

3 FinTechの今後の展望

 消費財分野でのe-commerceは消費者の購買意欲を購買履歴によって予測し、商品提案を行っています。冨田氏はFinTechの今後の展望に対して、「消費財よりも高価で情報の非対称性が大きい金融商品にでは、購買履歴でなく、商品や情報収集の中での購読履歴が重要になってくる」と主張されました。
 また、アメリカのFInTech業界の事業別ごとの事例や、日本の金融業界がFInTechとコラボレーションをしている事例などを解説していただきました。

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