Fin Techゲストスピーカー

FinTechが実現する超スマート社会Society 5.0と日立の取り組み

株式会社 日立製作所

金融システム営業統括本部 シニアエバンジェリスト

長 稔也 氏 氏

2018年05月17日

経歴

早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、日立製作所に入所。証券業界対応システムエンジニアとして国内外業務に従事。ニューヨーク大学経営大学院への留学を経て、帰国後はコンサルティング部門に異動し、株式会社日本興業銀行(現:みずほコーポレート銀行)へ出向。その後一度日立を離れるも復帰し、ビジネス・コンサルティング、リサーチ、マーケティング活動などに従事。2016年には日立製作所 金融イノベーション推進センタ長を務め、2018年より現職。現在はLinux Foundation主催によるブロックチェーンに関するオープン・コミュニティであるHyperledgerのGoverning Board Member、ISO/TC307国内委員会審議委員、筑波大学非常勤講師を兼務。

2018年5月17日の寄附講義「FinTechと金融市場」のゲストスピーカーとして株式会社日立製作所 金融システム営業統括本部 シニアエバンジェリストの長稔也氏にご登壇いただきました。

金融を取り巻く市場環境

講演の冒頭では、国内外の金融関連IT市場の成長が微増にとどまる一方、FinTechに関しては顕著な成長が予想されていることを説明し、今後の金融の担い手がFinTechであることを再確認されました。

Society 5.0とFinTech

Industrie4.0(独)や中国製造2025(中)、Industrial Internet(米)など、世界各国でデジタル化を踏まえた新たな産業コンセプトが策定されています。これらに対抗する新しい社会コンセプトとして、日本政府はSociety5.0を提唱しました。長氏は、本コンセプト実現に向けた政府の戦略や日立の考え方を紹介すると共に、異業種間連携を実現するキーテクノロジーとして、オープンAPIとブロックチェーンの重要性を指摘しました。

日立のFinTechへの対応

FinTechの本質は「エンド・ユーザ指向の新たな金融サービスを提供すること」であるとし、金融機関へは技術の提供にとどまらず、ビジネス・モデルまでを包含した提案を行い「協創」の推進を目指していく方針であることを語られました。具体的には、インターフェース領域、セキュリティ・認証領域、ビッグデータ・AI領域、金融インフラ領域の4領域に重点的に取り組んでいることを紹介いただきました。

「FInTechが日本市場にも浸透し始めた今、盲目的にその技術に飛びつくのではなく、どの技術を何のために使うのかをよく吟味することが重要だ」と指摘し、講演の結びとされました。

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