Fin Techゲストスピーカー

「5Gで進化するフィンテック」

株式会社ブロードバンドタワー

代表取締役会長兼社長CEO

藤原 洋 氏 氏

2018年11月07日

経歴

京都大学理学部卒業(宇宙物理)、東京大学工学博士(電子情報工学)。大手企業でコンピュータ・ネットワークの研究開発エンジニアとして勤め、その後、株式会社アスキーの経営に参画。1996年に株式会社インターネット総合研究所(IRI)を創業、1999年に同社を東証マザーズに上場させる。続いてIRIグループのIRIユビテック・ブロードバンドタワーを大証ヘラクレスに上場させる。2012年より、IRIグループ中核事業である株式会社ブロードバンドタワーの代表取締役会長兼社長CEOに就任、2018年にはグループ持株会社であるInternet Research Institute, Ltdをイスラエルのテルアビブ証券取引所に上場させる。また数多くの政府委員を歴任、一橋大学をはじめ多くの大学で客員教授や特任教授の肩書を持つ。

2018年11月7日の寄附講義「Fintechとイノベーション」のゲストスピーカーは、本寄附講義をご支援いただいている株式会社ブロードバンドタワーの代表取締役会長兼社長CEO、そして本学客員教授でもある藤原洋氏にご登壇いただきました。

フィンテックと5G/AIが拓く可能性とは?fujiwara2_3.jpg

第5世代の移動通信システムとなる5Gは、超高速、超低遅延、多数同時接続によりIoT(Internet of Things)インフラとなり、非連続的なイノベーションを引き起こそうとしています。私たちの日常生活も大きく変化することとなります。ここでのキーワードは、Digital Transformation。IT技術の浸透により、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させることを意味します。こうした動向の中、藤原氏は、フィンテックこそ5GをインフラとしAIを活用することで日本経済の救世主となる可能性があると考えます。

フィンテックはテクノロジーとして何を創出するのか?

フィンテックのテクノロジー・ツールは、IoT、AI、ビッグデータ、ロボット。藤原氏は、中でも最重要なのがAIであると指摘します。金融の仕組みは、極めて複雑で定式化・定形化しにくいとされますが、このような対象にAIは大きな威力を発揮します。AIを活用するフィンテックは、新ビジネスモデルの創出、既存事業活動のアンバンドリングなどにより利便性と安全性の向上、低コスト化を実現していくでしょう。大手金融機関は、こうした変化をリードすべくオープン・イノベーションへと転換を図っています。

5G/フィンテックにとって重要となるディープ・ラーニングとは?

AI技術としてのディープ・ラーニングは、シンプルな関数を何層にも組み合わせて表現力の高い関数を構築し、そのパラメーターを推定する方法であると言えます。この手法により、コンピュータによる画像認識が可能となり、シミュレーションでデータを生成しながら学習する教師なし学習の効率性が向上します。藤原氏は、今日のAI技術の本命であるディープ・ラーニングの仕組みや発展の歴史などを展望しました。

5G/AI指向へ挑戦する日本のフィンテック企業

講演の後段で、藤原氏は、日本でイノベーションを牽引する多くのフィンテック企業を取り上げ、全般的な特徴や今後の動向などについて概観しました。技術者であり日本有数の起業家である藤原氏のご講演は、フィンテックが拓くイノベーションと新たな事業機会についてとてもエキサイティングな未来を示す内容でした。

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