ゲストスピーカーのご紹介

演題「リデザインする」 

株式会社グルーヴノーツ

代表取締役会長

佐々木 久美子 氏

2017年12月19日

2017年12月19日の佐山展生教授の授業「企業価値向上論Ⅱ」では、ゲストスピーカーとして株式会社グルーヴノーツ会長の佐々木氏にお越しいただきました。

 ゲームが大好きで小学5年生からプログラミングを始めたという佐々木会長。プログラマーとして5年、その後新サービスプロデュースのマネジメントを経験され、2011年に起業されました。
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 コア・ビジネスであるMAGELLAN BLOCKSは、「機械学習を全ての人に」というコンセプトのもと、機械学習の仕組みをノンプラミングで簡単に使用できるサービスを提供。数値回帰、数値分類、画像分類、強化学習、物体検知、文書検索といった機械学習の分野をフルラインナップされています。その技術力は高い評価を受け、2015年にはGoogle Premier Partner 7社のうちの1社に選出されました。また2年前からは、ご自身の経験をふまえ、子育てのストレスを社員が抱えるのではなく、会社で受け取って解決するという発想から、TECH PARKというテクノロジーを教える民間学童保育を運営されています。

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経営スタイルもユニークです。常識にとらわれない会社のカタチを掲げ、様々な仕組みを導入され、業務報告の頻度・方法も社員自身に委ねているそうです。また少人数で大きな利益を生む体質を目指し、命令型の組織経営から連携型の自立したチーム経営への転換を図られています。サービス立上げでは、マーケティングの観点ではなく、自分がずっと使えるか、愛せるか、社会の問題を解決できるかを重視されています。そして、この経営の根幹にあるのが信頼とのことです。

 常識的なことが自身の常識に合わないがこと多い中で、全体を見渡して仕組みを全体的にリデザインしてきたという佐々木会長。デザイン思考は自分の課題をどう解決するかという意識でないと生まれない。課題があればぜひ自分で解決してみて欲しいというメッセージをいただきました。

 質疑応答では、機械学習の適用に関する多くの質問があり、実務での活用事例が多数紹介されました。AIが人間社会に与える影響については、「AIは道具であり、使う人間次第。人間はバグだらけで計算能力はコンピューターに敵わない。ただそこに人間にしかわからない因子と因子の関係性があり、恋愛の駆け引きのような人間らしさは今後も人間は持ち続けるのではないか」と語られました。現在注目されているAIをテーマとした講演であり、大変興味深く、刺激的な時間となりました。

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