ゲストスピーカーのご紹介

演題:「世の中にDelightを届けるために。走り続けるDeNA」

株式会社ディー・エヌ・エー

代表取締役会長

南場 智子 氏

2018年11月13日

2018年11月13日の佐山展生教授の授業「企業価値向上論Ⅰ」では、ゲストスピーカーとして株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)の南場智子氏にお越しいただきました。
DeNAの事業領域は広く、多岐にわたっています。横浜DeNAベイスターズを始めとするスポーツ事業、経営の中核を担うゲーム事業、インターネット×AIによって安心・安全に移動できるように取り組んでいるオートモーティブ事業、またヘルスケア事業では、歩くことを楽しんでもらえるような仕掛けをアプリを通して実現させました。このように課題解決とエンターテイメントを組み合わせた事業に取り組む数少ない企業のうちの一つです。
 namba3.jpgDeNAが事業を展開する上で特に大事に考えていることが二つありました。一つは、「大きいDelight(驚きを伴うような喜び、顔がパッと明るくなるような喜び)を世の中に届ける」ことです。就労や移動・作業時間など、一般的に楽しくないと言われている時間をいかにその人にとって楽しく、輝いたものにするかが鍵です。もう一つはユーザーに「使い続けてもらう」ことです。ユーザーを繋ぎ止めるためにどのような刺激を与えるかなど、AIを用いてユーザーの離脱予測など様々な分析をすることでアプリの質向上を図っています。
 対ユーザーだけではありません。社員に対しても、会社での作業時間に夢中になって輝いていて欲しい。そのような思いからDeNAでは事業部長が自らのパッションと求める人材を社内に向けて語り、部員を公募する「シェイクハンズ制度」や、敢えて社員の能力を超えるような仕事を任せることで人を育てる「ストレッチアサイン」という取り組みをしていました。また、企画、開発、リリースの流れを経営会議や社長の許可ではなく、ユーザーにどれだけ支持されたかで判断し、実行する『Permissionless』方式も取り入れています。南場氏の「DeNAは球体であり、社員一人一人が、その球の表面積を担っている。」という言葉に、社員一人一人に対するDeNAの誇りと自信が現われています。
namba4.jpgこのように、DeNAは何よりも「"人"がリソース」と考えているため、採用にも力を入れています。特に多様性を重視し、社員が会社に与える影響ができるだけ多彩になるように気を付けています。
 今後の展望としてDeNAは、ゲーム事業以外の柱を2本はつくりたいということでした。横浜スタジアム周辺のまちづくりに大きな投資をしていく計画もありますが、何を「柱」とするかまだまだ模索中のようです。
 授業終盤の「南場様にとって、"楽しい"とはなんですか?」という質問に対して、南場氏は「仕事に夢中になっている時、そしてその仕事が誰かの役に立っていると感じられた時に"楽しい"と思います」と答えられました。人は、何かに夢中になって専念している瞬間が純粋に楽しい時なのだと改めて気付かされました。
「AIやインターネットを活用し永久ベンチャーとして世の中にDelightを届ける。」常に挑戦していく気概と、社内も社会も輝かせるという企業風土が南場氏をはじめDeNAには強く根付いていました。

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