2018年11月20日の佐山展生教授の授業「企業価値向上論Ⅰ」では、ゲストスピーカーとして株式会社Voicy代表取締役CEOの緒方憲太郎氏にお越しいただき、ご自身の経歴、ビジネスモデル、そして声が持つメディアとしての可能性や仕事観についてお話し頂きました。

　大学生の頃にビジネスに興味を持ち始め、様々な業種の会社に関わり、深く知る事が出来る公認会計士として、ご自身のキャリアをスタートされました。しかし、無駄のない業務が好まれ、クリエイティブさが求められない業務内容に対し閉塞感を抱くようになりました。そして、仕事を辞め世界放浪の旅に出発されました。その道中、ボストンにてNPOの立ち上げに初挑戦したことを通し、0から1を作る面白さを実感されたそうです。帰国後、数々のベンチャー企業の役員・アドバイザーとしてご活躍され、企業の持つ夢の実現に多く貢献されました。そして、Voicy起業に至ります。

音声メディアであるVoicyは、複数のパーソナリティによる音声放送を楽しむことが出来るサービスです。携帯１つで手軽に収録、発信ができることから、従来の硬直的な録音サービスに比べ放送のハードルが低くなっているそうです。これは、世の中の面白い人の声をもっと届けていきたいという緒方氏の思いに基づいています。また、Voicyは、お金では得られない価値を多く得るというミッションを掲げています。そのため、宣伝広告費ゼロでこれまでに多くのユーザーを獲得してきたことも特徴の1つです。

　緒方氏は今後、様々なメディアを連携させることで、声による次世代のインターフェースを作りたいと述べられました。その実現のため、現在はVoicyがライフスタイルメディアとなるためのインフラを構築し、多様化するユーザーのペルソナに対応しようとしている最中とのことです。また、プロモーションも打っていき、声の含む様々な情報や温かさをより形にしていきたいそうです。

　「素敵な会社とは、新しい価値とワクワクを生んでいる会社」「お金よりもワクワクするものはたくさんある」など、「ワクワク」を繰り返し述べられた緒方氏。お金に振り回されず、価値を生む存在としての人にワクワクしながら働く楽しさ、それを踏まえた環境やマインドセットの構築について、講演を通してユーモアたっぷりに伝えて下さいました。