2022年03月15日

メディア掲載

宮川准教授の共著論文「Misallocation under the Shadow of Death」が公表されました

 宮川大介准教授と早稲田大学の上田晃三教授、及川浩希教授との共著論文「Misallocation under the Shadow of Death」は独立行政法人経済産業研究所(RIETI)のディスカッション・ペーパー(英語)として2022年3月 に公開されましたRIETIのサイトからは全文をダウンロードすることができます。 

Misallocation under the Shadow of Death
日本語タイトル:緩慢な企業退出のマクロ経済的含意について

  

【概要】
 本稿では、資源配分の歪みを生み出す要因として、企業の緩慢な退出過程(いわゆる死の影)に着目し、以下の3つの分析を行った。第一に、企業のR&D投資と緩慢な退出の意思決定を取り込んだ内生的成長モデルを構築した。市場均衡における退出が社会厚生の観点から非効率な低水準となり得ること、さらに退出に関連する歪みが追加的な厚生の悪化を生み出すことを示した。第二に、日本の企業レベルデータを用いた実証分析により、実際の企業退出やR&D投資終了後の売上の変化、および、これらの変数と補助金などの歪みとの関係が理論モデルと整合的であることを確認した。第3に、シミュレーションから、中小企業向け補助金に代表される企業退出の歪みが強まることで生産性の向上や厚生の改善が妨げられること、ただしその定量的影響は大きくないことを確認した。