山本 一彦客員教授

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科および経営学研究科 教授

プロフィール

研究分野

アントレプレナー・ファイナンス、ストラテジック・アントレプレナーシップ

Education

1988年3月 一橋大学商学部経営学科卒業

Positions held

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 教授

神戸大学大学院経営学研究科 教授(兼任)

神戸大学先端バイオ工学研究センター・バイオエコノミー研究部門 部門長

株式会社科学技術アントレプレナーシップ(シード・アクセラレーター) 取締役

ViSpot株式会社(神戸大学発バイオベンチャー・ウイルス安全性評価機関) 取締役

株式会社シンプロジェン(神戸大学発バイオベンチャー・DNA合成) 取締役

株式会社バイオパレット(神戸大学発バイオベンチャー・ゲノム編集) 取締役

【業務】

住友電気工業株式会社、株式会社野村総合研究所(企業財務調査室)を経て、ベンチャー企業などで財務、経営戦略の責任者を経験。1998年に株式会社クラシック・キャピタル・コーポレーションを設立し、創業期専門のベンチャーキャピタリストとしてベンチャー企業の投資育成に取り組む一方、企業金融の専門家としてM&A・財務戦略などのコンサルティングを提供。

2016年4月の神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科教授就任に伴い、独立系ベンチャーキャピタルの代表取締役を退任。神戸大学においては、アントレプレナー・ファイナンスとストラテジック・アントレプレナーシップ分野の専門知識と実務経験を活かし、合成生物学(シンセティック・バイオロジー)分野を中心とした神戸大学の研究成果の社会実装と、それを通じたイノベーションの創出に向けた「理論と実務の橋渡し」を実践している。

【教職】

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科(現経営管理学研究科) 非常勤講師 (2014年度~、2018年度から客員教授)
   講義科目名 「アントレプレナー・ファイナンス」

早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 非常勤講師 (2012年度~2015年度)
   講義科目名 「ベンチャー・ファイナンスと新産業創造」

神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 教授 (2016年度~)

神戸大学大学院経営学研究科 教授(兼任) (2016年度~)

メッセージ

  • モットーは、「理論と実務の橋渡し」と「文理融合」です。
  • ベンチャー企業とは、今は小さいが、大きくなることを宿命づけられている急成長イノベーション企業のことです。その存在意義は、グローバルなレベルで活動し世界のイノベーションを主導するだけでなく、膨大な雇用を創出し経済成長に多大な貢献を果たすことです。
  • ベンチャー企業のファイナンス(「アントレプレナー・ファイナンス」)は、以前の「小さく産んでゆっくりと大きく育てる」から、「大きく産んで急いで大きく育てる」へと、近年劇的に変貌しています。つまり、創業から成長初期の段階でグローバルな競争環境で圧倒的なポジションを築くべく、創業時から大規模な外部株主資本をVCなどから調達するように、ファイナンスの常識は変わったのです。
  • 本講義では、「アントレプレナー・ファイナンス」の理論と実務での最新動向について、丁寧に解説します。

研究業績等

 

Selected info_books and publications

【公表論文】
  • アントレプレナー・ファイナンス 『月刊資本市場』 通巻218号,2003年10月,23-37頁,共著.
  • 続・アントレプレナー・ファイナンス 『月刊資本市場』 通巻225号,2004年5月,17-25頁,共著.
  • 『アントレプレナー・ファイナンス』出版記念講演 ~アントレプレナー・ファイナンスから見た日本への提言~ 『月刊資本市場』 通巻228号,2004年8月,21-34頁,共著.
  • ベンチャー企業の価値評価 『一橋ビジネスレビュー』 第62巻 第2号,2014年9月(季刊2014年秋),22-41頁,共著.
  • アントレプレナーの活動段階とブレークスルー、イノベーション、戦略的企業家 『季刊ビジネス・インサイト(現代経営学研究所)』 通巻93号, 2016年4月, 共著.
  • 科学技術イノベーションの創出におけるシード・アクセラレーターの役割 ~米国の主要シード・アクセラレーターの活動状況~『季刊ビジネス・インサイト(現代経営学研究所)』 通巻100号, 2018年1月, 49-61頁,共著.

書籍

img_book55.jpg

アントレプレナー・ファイナンス-ベンチャー企業の価値評価とディール・ストラクチャー(2004年,中央経済社,総監訳)

本書は米国の経営大学院(MBAスクール)で利用されるベンチャー・ファイナンスの代表的なテキストEntrepreneurial Financeの日本語版である。
これまでもベンチャー・ファイナンスを取り上げた書籍はいくつか出版されているが、その多くは制度、組織、ファイナンス方法のノウハウの紹介が中心である。これに対して本書は、ベンチャー企業のファイナンスの意思決定をテーマとしており、企業価値評価とディール・ストラクチャーのフレームワークの構築に焦点を当てている。そこで論じられている分析手法は、金融経済理論の概念と方法論に立脚した緻密な理論に裏付けられているのみならず、実務でもきわめて有用である。

img_book56.jpg

超入門 企業価値経営-実践 コーポレート・ファイナンス(2011年,中央 経済社,編著)

独立を決意した二人の会社員の起業物語にのせて、企業価値経営のエッセンス(事業計画、企業価値評価、財務分析)を楽しみながら簡単にマスターすることができる。会話文によるわかりやすい解説と、豊富な図表・実践的な練習問題で、実務を体得できる。

img_book57.jpg

MBA アントレプレナー・ファイナンス入門-詳解 ベンチャー企業の価値評価(2013年,中央経済社,編著)

バリュエーションやディール・ストラクチャーなどのファイナンスの知識なくして、ベンチャー企業を成長させることも、リスクに応じたリターンをアントレプレナーが享受することも難しい。本書はこうした問題意識から、コーポレート・ファイナンスの理論を基礎としたアントレプレナー・ファイナンスの入門書として企画したものである。

img_book58.jpg

ベンチャーキャピタルによる新産業創造(2011年,中央経済社,共著(1章 を執筆))

フェイスブックやグーグルのような、次世代を担う急成長イノベーション企業を日本から輩出するためには、リスクマネーを供給し新産業育成を支援するベンチャーキャピタルが不可欠だが、日本のベンチャーキャピタルはまだその役割を十分に果たしていない。その問題点と課題を探る。

img_book59.jpg

ベンチャーキャピタル ハンドブック(2006年,中央経済社,共著)

ベンチャーキャピタル(VC)投資やVC研究の現状、わが国を代表するVC9社の歴史や組織形態、投資行動などの分析、さらには、VC投資に関する重要な5つのテーマを分析するなど、VC産業を理解するために必要な内容をすべて網羅する。